2015年5月〜7月にかけて、当協会ではご専門分野の有識者をお招きし全5回のマネジメント講座を開講いたしました。
「背中を見て学べ」「暗黙の了解」そんな社内の見えざるルールを 見える化 する方法があります。
見える化 すると、組織はどのように変わるでしょうか?
ナレッジの蓄積と業務のたゆまぬ改善という目標に全社員が夢中で取り組みはじめます。
連動して業務は拡大し、社員のモチベーションは高まります。
人にやさしい組織が実現し、若手が育つだけでなく全社員が安定的に成長していきます。
そんな 見える化や人にやさしい組織は実現するのでしょうか?
本講座では、人材の意識改革・社内風土改善などについて学び、 社内を効率的に動かす仕組み・モチベーションアップのための仕組みや(人を責めない)フレーム&ワークメソッドについてもご紹介しました。
第一回 なぜ社員は“子ども化”し、“できる社員”が追いつめられるのか?(2015/5/18)
講師:神奈川大学特別教授 前横浜労災病院心療内科部長 江花昭一先生
社内の世代間ギャップ、人材不足、やっと採用して時間をかけ育成した若手社員が、これから力を発揮してもらおうと思った矢先に離職されてしまうケースが後を絶ちません。
入社後3年未満の社員の離職率が増えている昨今、企業では常に人”財”不足が叫ばれています。また、できる社員に仕事の負担がかかり、中間マネジメント者のメンタルヘルスも問題になっています。
第一回の講座では、「人材育成」「マネジメント」「社員のメンタルヘルス」をテーマに、人を大切に育てるためのポイントについてお話しいただきました。
<テーマ>「現代型うつ病」を生じる「甘えられない」社会構造と、その対応
●変わりゆく職場と社員のタイプ
・追いつめられる「生真面目タイプ」の「従来型うつ病」
・「自己実現タイプ」は「現代型うつ病」に
●最近の新入社員の傾向は?
・グローバル社会のもとで増える「自閉タイプ」と「多動タイプ」
●脚光を浴びる「女性活躍」推進と現実とのダブル・スタンダード
●社員が「子ども化」する背景と現代の職場の課題
・交流分析から解決法を考える
第二回 なぜ、組織は弱体化し、部下はやる気にならないのか?(2015/6/8)
講師:同志社大学 政策学部教授 太田肇先生
入社後3年未満の社員が離職していく理由の一つは、組織や仕事を、旧態依然とした『質』ではなく『量』で頑張るという実態があるためです。業務の”分化”、”見える化”ができていなければ、女性活躍推進に必須の時間短縮もままならず、またできる社員にばかり負担がかかってしまいます。
第二回の講座では、現在の組織の実態やその問題点、組織改革をテーマに、社員個々人や、組織自体を強くするためのポイントについて、お話しいただきました。
<テーマ>個性を生かし、組織を強くする人材活用戦略
●現代の組織の実態
・生産性、競争力の低下、遅れる組織改革、
根強い旧来型能力観、「統合」に偏ったマネジメント
●組織が抱える5つの問題点
・一元的序列構造、人事評価制度、人事部主導による
異動の限界、勤務時間制度、オフィス環境
●根本的組織改革のための5つのポイント
・分化、自律(自立)、フラット化、オープン化、承認
第三回 なぜ、マネジメントはうまくいかないのか?(2015/6/24)
講師:JMAC顧問シニアコンサルタント 戸張眞先生
ここ数年経営を取り巻く環境は大きく変化し、マネジメント、課題解決の領域においても大きくその影響を受けつつあります。このためには、「人中心」「選ばれる」「モチベーション」「社内外の仲間との連携」「自発性と権限付与」「解決志向」「多面評価」等をキーワードに、人・チームの活力を活かし、安定成長を実現する経営・マネジメントへの転換が必要となっています。
第三回の講座では、『なぜ、マネジメントはうまくいかないのか?』をテーマに、経営者、マネジャー、担当者の意識改革を狙い、人・チームの活力を活かし、安定成長を実現していくための環境づくりとその施策についてお話しいただきました。
<テーマ>激変する環境変化への対応と、人・チームの活力を活かしたマネジメントの必要性
●変わりつつある人材マネジメント!!
・変化する経営環境の中で変わって行く現場のモチベーション
・マネジメントの基本に据える考え方を変える
●絶え間ない成長に向けた経営改革への挑戦!!
・経営は、その基本に据える考え方を変えないと変わらない
・経営革新への絶え間ない挑戦
●これからのマネジメントへの環境づくり!!
・社内外の仲間との連携意識の促進が要
・人・チームの活力を活かす環境づくりへの4つの施策
第四回 なぜ、“女”は、組織を乱すのか?(2015/7/6)
講師:精神科医 水島 広子先生
女性活躍推進が国の政策として掲げられ、女性活躍推進の取り組みや、組織内の管理職への女性登用が増加しています。しかし、女性の強みや特性を活かした活用ができていない企業も多いというのが現状です。
また、女性は、出産・結婚・介護等、ライフステージの変化のみならず、仕事への取組みや組織へのコミットが男性とは異なることもあり、現場におけるマネジメントの難しさも問題となっています。
第四回の講座では、『なぜ、「女」は組織を乱すのか?』をテーマに、会社組織と女性がともに成長するためのポイントについて、お話しいただきました。
<テーマ>会社組織と女性がともに成長するためのポイント
●会社組織と女性がともに成長するためのポイント
第五回 サービス・マネジメント(2015/7/27)
講師:一橋大学大学院 国際企業戦略研究科 准教授 藤川 佳則先生
企業を構成する要である「営業」。営業活動は会社の基本でありながら、一番難しい業務とも言えます。その営業活動を効率的・効果的に行うための戦略の一つとして「マーケティング」が上げられます。正確なマーケティングに基づいた営業活動ができれば、携わる営業マンの負担も軽減し、「営業が楽しい!」と思えるようになるはずですが、多くの企業では、営業職と言えば離職率が非常に高い職種というのが現実です。
第五回の講座では、「サービス・マネジメント:新しい「価値づくり」の世界観とマーケティングの今後」をテーマに、会社運営戦略において重要ポイントとなる「営業活動」「マーケティング」についてお話しいただきました。
<テーマ>新しい「価値づくり」の世界観とマーケティングの今後
・サービス化が進む世界におけるマーケティングの今後
・製造業・サービス業の融合がもたらすマーケティングの課題
・新興国経済の台頭が生み出すマーケティングの機会
・サービス・プロフィット・チェーン:顧客と常につながる価値づくり
・サービス・ドミナント・ロジック:モノとサービスを分けずにとらえる価値づくり
・マルチ・サイド・プラットフォーム:複数の市場を巻き込んで進める価値づくり
ご来場いただいた皆さま、誠にありがとうございました!
この場をお借りいたしまして、心から感謝申し上げます。