推薦の言葉

 暗黙知を形式知化する、オリジナルメソドロジー、フレーム&ワークモジュールⓇは、著名な学者・実務家の方々から、推薦の声をいただいています。

早稲田大学 大学院経営管理研究科 教授
入山 章栄氏 

「業務のモジュール化」は、経営学的にも非常に興味深いテーマである。確かに多くの日本企業では、社員の肩書きとジョブディスクリプションが紐付いておらず、非効率で責任の所在がはっきりしない場合が多い。
ただ一方で、「一人がジョブディスクリプションを超えて多様な仕事に関わる」ことのプラスも大きいはずだ。例えば経営学では、現在イントラ・パーソナル・ダイバーシティと言って、一人の人が多様な知見・経験をすることの重要性が主張されている。
また。プロソーシャル・モチベーションと言って、一人の人が他者視点になって仕事をすることも、個人の創造性にプラスである可能性も示されている。このように考えると、ポイントは「何のために業務のモジュール化をするのか」「そのプラス面と、逆に弊害は何か」をきちんと検討することだろう。

業務のモジュール化は手段であり、目的ではない。結局の目的は、一人一人が生き生きと働き、結果として組織が強くなることだからだ。


同志社大学政策学部・同大学院総合政策科学研究科教授
太田肇氏

【組織の分化、業務のモジュール化が必要】

組織論には古くから「分化」と「統合」という概念がある。分化とは文字どおり分けること、統合は結びつけることであり、組織を健全に保つには両者のバランスが大切である。ただ近年はICTなどの普及により、組織が分化していても比較的容易に統合できるようになった。
ところが多くの日本の企業は、統合を重視するあまりに分化がなかなか進まない。社員のワークライフバランスを推進するうえでも、仕事の成果を正しく評価して公平に処遇するうえでも、それが障害になっているケースが多い。
たとえば仕事の分担や責任範囲が不明確だと、いくら努力してたくさん仕事をこなしても、みんなの仕事がすまないかぎり帰れない。職務主義で個人の分担が明確な欧米企業では残業がほとんどないのと対照的だ。また欧米型の成果主義を導入してもうまくいかなかったのも、わが国では仕事の分担が不明確なので成果を正しく評価できなかったからである。
要するに、社員が働きやすい職場をつくり、評価や処遇を公平に行うためにも、個人個人、あるいはグループごとに仕事を分化していかなければならないわけである。
さらに職種や仕事内容に応じた働き方、人事制度を取り入れようとすると、職種ごと、仕事の種類ごとに制度を変えていかなければ進まない。そこでも分化が不可欠なのである。
そして組織と仕事の分化を進めるためには、会社の業務全体を「見える化」し整理していく必要がある。さらにそれをモジュール化するという方法は、企業の経営革新、効率化を図るとともに働きやすさを追求するうえでも大きな効果が期待できよう。


学校法人神奈川大学 保健管理センター長(特別教授)
江花昭一氏 (前横浜労災病院心療内科部長)

従来の日本の企業では、日本型雇用のもとで、企業風土・企業文化の共有、先輩の「面倒見のよさ、後輩の「見よう見まね」でのスキル学習、職場の風通しのよさ、などが美徳とされ、それらが個々人の能力の開花、メンタルヘルスの維持、企業の業績向上と結びついていました。
しかし現代企業では、活動のグローバル化、短期の業績向上の要請、競争の激化のもとで、これらの美徳が消滅しつつあり、本来企業活動の軸となるべき人材育成、業務の標準化、企業内コミュニケーションの活性化の実現が困難になっています。そのような事態は、多くの適応困難者を生み出し、メンタルヘルス不全の要因にもなっているでしょう。
このように考えていたところ、これまで「暗黙の了解」とされてきた職場の仕組み、活動のノウハウを目に見える形にし、そのフレームを共有し、さらによくなる仕組みを構築する、という「フレーム&ワーク」の考え方を伺うことができました。そのとき、これは企業のみならず、教育機関や医療・保健も含めた多くの組織の弱点を補い、個々人の能力を活かすことができる活動であり、本当に「我が意を得た」という思いがしました。
その普及は、多くの組織の構成員教育、コミュニケーションの改善、ポジティブ・メンタルヘルス推進にたいへん役立つものであると考え、ここに推薦いたします。


元アプライドマテリアルズジャパン会長
元サムソン電子(本社)社外取締役
社団法人国際経営者協会 元代表理事
株式会社IIOSS取締役 創業者
岩﨑哲夫氏 

【「フレーム&ワーク モジュール」で大波に乗る】

ビッグサーフには、押し寄せる大波を見極め、素早いパドリングで波頭に立つことが欠かせない。かって海が穏やかな時代、日本は世界がうらやむ「ビッグサーフの名手」となったが、その地位に溺れ太洋の変化(メガトレンド)を見落としたことで、押し寄せる大波から滑り落ちてしまった。ここ四半世紀で体験した日本のGDPや企業の競争力の下落は象徴的だ。ならば、日本の近未来を見るとどうだろうか。世界の政治・経済の先行きの不確かさを度外視しても、進行中のIoTやAIを駆使する第4次産業革命だけでも、そのインパクトは過去私たちが体験した変化よりさらに大きなものになるだろう。市場や経営資源の調達や競争や事業構造などを律するあらゆる垣根はますます低くなり、新しい環境で力を発揮する新手のプレイヤーが続々登場し、世界のデファクトとなるサービスを創り出すだろう。このメガウェーブ到来への日本の備えは不十分で遅れも目立つ。 しかし決断次第で再浮揚の好機到来ともみえる。新時代で勝つ経営モデルや業務デザインに勇気を持って取り組んでほしいものだ。「フレーム&ワーク モジュール」は現業の改善や改革のためのパワフルなツールではあるが、日本が得意の「集団のイノベーション」が発揚され、人が育つプラットフォームである。日本再浮揚に向けメガウェーブの波頭を目指すパドリングは始まっている。